「not for you ーお前のためじゃねえよー」

高校のころ。
僕は授業中、ノートの端っこやレジュメの裏に落書きをするのが好きだった。
描いているのは昨日見たアニメに出てきたロボットとか、買ったプラモを模写して練習したロボットとか、とにかくまあロボットばかり描いてた。
こなれてくると、たまにちょっとオリジナル要素を付け足して「オリジナルMS」とか「オリジナルオーラバトラー」とか「オリジナルガイメレフ」とか描いてた。

意外と描きながらでも授業はちゃんと聞けてるもので、というか、描いて手を動かしてないと眠かった。
寝ないための事前策として描いていたようなものだ。
でも教師からの心象はやはり悪いようで、あるとき描いている絵に目を付けた教師が、その紙を取り上げて注意をした。
そしてなんと、見せしめにと教室の掲示板にその絵を貼り付けたまま授業を続行したのだ。

「意外と上手い」と一部の同級生にはほめられたが、やっぱり大半の同級生たちには笑われた。
そりゃまあ、描いたからには人に見て欲しい。それが絵という物だ。でも別に、見せたく無い人間に笑われるために描いたわけではない。

「見て欲しくて描いたんだろ。見せてみろ。笑ってやる」

そういうスタンスの人間は、教室という狭い社会の中にもいるし、この広い社会の中にも限りなく居る。
そういった輩に、僕は、こう心の中で言い返すことにしている。

「確かに見て欲しい。でもそれはお前じゃない。お前の為には描いてない」

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続・電子書籍の校閲編集作業にGitを利用してみる試み

前回:funny-creative.hatenablog.com

先日、「電子書籍の編集作業をgitでやってみよう」という思いつきの試みをぶちあげてみたところエンジニアサイドの方々から様々な反応を頂いてしまいました。

僕みたいな「htmlとcssは打てるけどjavaphpはからっきし」な非エンジニアには恐れ多くて萎縮してしまいそうです(していない)

協力して頂ける方の募集を行ってみたところ、業務で分散管理のなんたるかを身につけておられるエンジニアの知り合いの方にコミットしていただくことができました。

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おかげさまで、編集規約や作業手順、ブランチの運用など、大まかなシステムの枠組みはひとまず確定してきています。

ただ、文章を読んだり修正してくれる肝心の作業人員が確保できない、というよくある炎上パターンに突入しかかってます。
「下読みだけなら手伝えるけど、原稿に手を出すとか、使ったことないシステムに手を出すのはちょっと・・・」という障壁が、たぶん一番分厚い問題です。

  • 「俺も手伝うから代わりに手伝ってほしい」という電子書籍界隈の方
  • 「スペルミスや誤字脱字を見つけたくて仕方無い」という校閲マン
  • 「本をいちはやく世に出すための手伝いがしたい」という有り難い読者の方
  • etc

などなど、参加申し出ていただけたら嬉しいです。
クライアントの導入方法から使用方法まで、こちらでサポートさせていただくので、何の前知識も無くて大丈夫です。
(というか前知識がないと使えないシステムを作り上げてもしゃーないので)

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電子書籍の校閲編集作業にGitを利用してみる試み

先日、『アーマードール・アライブ』2巻の発売日を正式に発表させていただきました。

【お知らせ】『アーマードール・アライブ』2巻についてのお知らせ – Funny-Creative

記事内でも記載したとおり、まだ校閲や改稿など、編集作業が山積みを粛々と進めている最中です。
知人に下読みしてもらって矛盾点や改良点を洗い出したり、誤字脱字の山をひたすら切り崩したりと一人では大変な作業続いています。

下読みについては直接epubやテキストを送っても手伝ってもらえるんですが、細かい誤脱の修正やマークアップについては、どうしても口頭でフィードバックして解決しなければいけない状態です。
特に誤脱の指摘については、「○○ページ目の○行目に誤字があったよ」と教えてもらっても、リフローなEPUB形式のため追跡作業に難航してしまいます。

できれば直接原稿ファイルに手を入れて手伝ってもらいたいけど、複数人で1つのファイルをいじるのは難しいです。
と今までは思ってたんですが、業務で1つのコードを集団開発するエンジニアさんたちは、分散型管理システムとかいうのを使ってその問題を解決していると小耳に挟みました。

考えてみれば電子書籍って結局、xmlcssなんだし、「小説」として扱うよりは1つの「言語」として扱った方が自然な気もします。

というわけで今回、編集作業をGitプロジェクトとして行ってみることにしました。

ホスティングについては無料で非公開リポジトリが作成できるBitBucketを選択しました。
公式クライアントのSourceTreeがGUI操作できるので、使い慣れてない方に協力してもらいやすそうなので。

プロジェクトページのキャプチャは、現在こんな感じです。

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現状、比較的この手の技術に明るい知人に当たってコミットしてもらってる状況です。

“本文の下読み”や“誤脱の指摘”まではお願いできても、“gitでコミットして”となると中々手を上げてくれる人が見つからないわけで・・・。

もしこのエントリーを見てくれている方の中で、面識があり、手伝っていただける方いたら教えてください。
twitterのリプでもブログのコンタクトフォームでも何でも大丈夫です。

実は恥ずかしながら僕自身、自分から始めてみたものの、Gitの扱いについて把握しきれていない部分がけっこう多くて苦戦しています。
「小説のことは自信ないけどGitなら任せろ」みたいな方に手を貸してもらえるとかなり心強いかなという心境。

僕は電子書籍の「紙という実体を持たない出版」という利点を、どこまで活かせるか活動の中で追求してみたいと考えてます。
なので「編集室という実体」もまた、電子化出来たら面白くはないかな、と思って今回実践してみることにしました。
商業活動時代は一応、ゲラとアカを使った校閲作業は経験しているので、それと同じ事を電子的にやってみるというのがまずは第一目標です。

もしかしたら思いも寄らない障害にぶち上がるかもしれませんし、Gitほど高機能でなくても充分なのかもしれません。
SubVersionでも充分じゃないかな、とは既に思ってるところなので)

ちなみにセルフパブリッシングの最大手、群雛文庫さんの方では編集作業にはGoogleドキュメントを採用されてるそうです。

www.gunsu.jp

なんでGoogleドキュメント同じように使わないのかと言うと、せっかく独立してやるからには、人と違うことをやった方が面白いかなと思ってるだけです。
当サークルの活動指針は「たのしいことがしたいだけ」なので。

他にも話聞いてみるところ、みなさん色んなかたちで編集作業のやり方を模索しているみたいです。
マージ失敗して大炎上するか、思いも寄らない福次効果を見つけられるか、まだ分かりませんが、この観測点から見える景色をセルフパブリッシング界隈にお届けできればなあとか考えてます。

(2016.01.06-追記)
さっそくお一人、Twitterで親交ある方から、参加の意思表明いただきました。
まだ3~4人分ぐらい登録枠に空きがあるので、物好きな方お待ちしています。

負けたところで失うものは何もない僕たちと『人造昆虫カブトボーグVxV』の話

世間では「カオスアニメの代名詞」として悪名高い『人造昆虫カブトボーグVxV』だが、実はけっこう趣深いエピソードも多数ある。

そもそもカブトボーグというアニメの世界観はそれほど狂っているわけではない。徹底したリアリティのもとに成り立っている。
主人公のリュウセイさんは腹の立つ相手が居れば叩き潰す、目的のためには手段を選ばない、常に最短距離で勝利をつかみにいく。

これがそこらのホビー向けアニメの主人公なら、「勝つためには何をしたっていいわけじゃない」と敵役を綺麗ごとで説得しているところだ。
だが、リュウセイさんは逆に、そんな説教に対して更に上からの説教を食らわせて怯んだ隙にぶちのめしたりする。
彼は少年向けホビーアニメという枷から解き放たれた、ナマの感情を発露するむき出しの人間性そのものなのだ。

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